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 ペットショップトラブル

病気であると知らずに病気の犬を買ったとき、業者の契約書に「ペットは生き物ですので現状で販売し、返品、引き取り(契約の解除、白紙化)、交換、損害賠償はできません」とする条項があった場合、ペットショップに対し、損害賠償請求はできないのですか?

民法では、商品に瑕疵(通常有すべき性能、性質を有していないこと。キズや欠陥など)があった場合、損害賠償請求や契約の解除ができます。(瑕疵担保責任、570条、566条)
 この契約書には返品や引き取りができない、損害賠償請求できないと書かれており、売主としての損害賠償責任を全面的に免除している規定になっています。消費者契約法8条1項5号では、瑕疵担保責任の損害賠償を全面的に免除する規定は無効です。したがって、この業者の責任を免除する契約条項は無効です。よって、買った当初から病気にかかっている場合には、民法の原則にもどって、消費者はペットショップに対して損害賠償を請求できます。

上記に加えて、「犬が引渡時に不治の病にかかっており、引渡後2週間で死亡した場合には、同種、同等、同類の代犬をお渡しします。」との条項があった場合には、損害賠償請求はできますか?

消費者契約法8条2項1号は、事業者が瑕疵(キズや欠陥)のない物(この場合は健康な犬)と代えるという場合には、瑕疵担保責任に基づく損害賠償責任を免除することも許されるとしています。消費者が瑕疵のない物を受け取れば損害賠償請求する必要はないとの趣旨です。
 Q2では、代わりの犬を引き渡すことになっているので、損害賠償責任を免除することも許されるのか、が問題となります。特に期間を限定していなければ、まさに同号にあたり、損害賠償の制限をすることは許されそうです。しかし、ペットは単なる「物」と異なり、特別の愛情を伴うことが通常です。このようなペットの特殊性を考えれば、他のペットで代替できない場合があると考えられます。同号にストレートにはあてはまらないと考えられます。よって、代犬では満足できない場合、損害賠償を請求することも可能であるといえるでしょう。
 さらにQ2は、代犬を引き渡す場合を、ペットの引渡後2週間で死亡した場合に限定しています。瑕疵担保責任は、瑕疵を知ったときから1年間責任追及をすることができます。(民法566条)特に引渡後、瑕疵による損害発生までの期間に制限を加えていません。にもかかわらず、この期間を2週間と短くしており、消費者に瑕疵担保責任に代わる請求権を保障したことにならず、同号の条件を満たしているとは言えません。よって、消費者はペットショップに対して損害賠償を請求することが可能です。
 また消費者契約法10条は、信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものを無効としています。瑕疵担保責任に変わる責任追及の要件を引渡後2週間での死亡という極端に限定された要件にするのは、同条に反するものともいえます。

契約書に「但し、犬の診察は売主の指定する獣医で診察を受けていただくことを条件とします」との条項があり、指定獣医で診察を受けなかった場合に、損害賠償請求はできないのでしょうか?

ペットショップ指定の獣医の診察がなければ損害賠償を請求できないかが問題となります。病名や死因が判り、ペットが不治の病にかかっていたことが明らかであれば特定の獣医の診察を要件とする必要はないはずです。消費者に特定の獣医での診察という義務を課するもので、消費者にとって不合理な規定であるといえます。Q3の条項は消費者契約法10条、信義誠実の原則に反して消費者の利益を一方的に害する条項として無効と解されます。したがって、消費者は、ペットショップ指定の獣医の診察を受けなくても、購入当初から犬が不治の病であったことを証明できれば損害賠償を請求できると解されます。


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