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 中古車契約

無料査定を受けるつもりで、中古車の買取業者を自宅に呼んだ。売却理由を聞かれ、乗り換えと答えると、別の中古車を勧められたが、希望の車ではなかったので断った。しかし、車種やグレード、ボディー色を次々に聞かれ、言われるままに答えていると、希望の条件の車をオークションなどで落札することもできると言われ、契約した。翌日、解約を申し出ると、高額の解約料を請求された。翌日の解約なのに高額であり、納得できない。

中古車は新車とは異なり、一台ごとに価格も品質もまるで違う商品です。消費者が品質や機能を即座に判断することは難しく、また実際に車両の状態を確認しないで、契約したことからトラブルになるケースがよくあります。
 乗用自動車は、よく検討してから購入する商品と考えられており、特定商取引法及び割賦販売法のクーリング・オフの適用除外商品になっていますが、契約成立前であれば契約の申し込みの撤回ができます。

中古車契約の被害救済

  

■契約の成立時期
○業界団体加盟業者の場合
 標準約款は、「契約の成立日は自動車の登録がなされた日、注文により販売会社が修理・改造・架装等に着手した日、若しくは自動車の引渡しがなされた日のいずれか早い日」とされています。よって、消費者が注文書に署名・押印した段階では、契約は成立していないので、契約の申し込みを撤回(やめる)ことができます。しかし、約款では、契約の申し込みをやめたことによって業者に損害が生じた場合には、通常生じる損害に限り、損害賠償請求できるとしています。通常生じる損害とは、車庫証明申請の実費などであり、登録に必要な書類が未提出の場合には、業者に損害が生じているとは考えにくいと思われますので、金銭負担なしで解約できます。
(注)標準約款の考え方を採用しているのは、日本自動車販売協会連合会(自販連)、日本中古自動車販売協会連合会(中販連)、日本自動車輸入組合です。
○業界標準約款を採用していない業者の場合
 解約料の請求金額の根拠を書面で提出してもらい、契約の成立の時期はいつか、どういう実損が発生しているのか、納得できる内容であるかを確認しましょう。
 なお、消費者契約法では、業者が契約解除の際に、消費者に高額の損害賠償や違約金を請求できるとの約款を定めている場合でも、当該業者に生じる平均的な損害の額を超える部分の契約条項は無効であると定められています。あきらめずに最寄の消費者センターに相談しましょう。

  

■取消
 勧誘時に、自宅に訪れた事業者に帰ってくれと言ったにもかかわらず、帰らずに(不退去)、困惑して契約した場合や、事業者が品質・内容について事実と反することを告げ、消費者が誤認して契約した場合、事業者が故意に不利益事実を告げずに消費者が誤認して契約した場合には、消費者契約法で取消できます。不退去や困惑があったかどうかは具体的な事情によります。

アドバイス

  

■中古車は商品ごとに特性の違うものであることを念頭に置き、事前に希望する車の情報をできる限り収集し、あせって契約をしない。契約する前に、業界団体に加盟している業者か確認する。また、業者のセールストークを鵜呑みにせず、慎重に判断をしましょう。


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